グローバリズムとは、人、物、金の国境を越えた移動を自由にしましょうということなのですが、要は政府の力を弱めるということです。関税の主権をなくすとか、規制を弱体化させるといった話。
そんな世界においては、政治もいわば内政化し、どれもこれも似たもの同士となり、いくら政権担当者が変わろうとも、たらい回し的なものとならざるをえないのです。かりに共産党政権が誕生したとしても同じです。
そして、民間のビジネスが国境を越えて自由自在に拡大していって、何が起きるかというと、勝ち組が買って、負け組が負ける。そういう形になってしまう残念なことに、自由に競争したら結局勝ち組と負け組に分かれていくってのは繰り返されてきたパターンなんです。
そんな世界では絶望するしかない。ところが絶望が不十分なため、無自覚な憂鬱状態になっているのが現実の平均値だろう。
だから政府が主権を行使して、ある程度それを管理しようという風にやってきたわけですけど、グローバリズムはそれをも否定してくるわけです。
グローバリズムとは、政府を無力化する麻薬のようなものです。