民主社会主義 ~知れば見えてくる本質~

全ての富が平等に分配され格差のない平等な世界を目指した「共産主義」の理念は良かったのですが、唯物思想によってそれを実現しようとしたため、神仏や人間の霊性までも否定しながら、恐怖政治へと向かって行きました。

 

それが、愛を中心とした社会を求める人間の本質に合うはずがなかったのです。

 

一方、資本主義社会においては、自由競争によって経済的に発展したのは事実ですが、それが人々を個人主義に変え、お金があれば幸せになれるという考え方を植え付けてしまう結果となりました。

 

また、自由競争による敗者の存在が前提となっている資本主義によっては、経済の世界的な平準化が望めないのです。世界の人々が、皆平等に暮らせる社会を実現するためには、「社会主義」を採用することが求められます。

 

「社会主義」と「共産主義」をざっくり比べると

 

(1)「社会主義」労働に応じて財を受け取る。「共産主義」必要に応じて財を受け取る

(2)「社会主義」=私財を認める。「共産主義」=私財を認めない。

(3)「社会主義」=大きな政府。「共産主義」=無政府。

 

となります。

 

「社会主義」と「共産主義」は、どちらも「資本主義」の対義語として使われることがありますが、「社会主義」と「共産主義」の意味は異なります。

 

「社会主義」は、よく「社会民主主義」と「ソ連型社会主義」というように分類されます。「社会民主主義」は、市場経済を国家によって統制しようという思想が柱となっており、「大きな政府」を目指す考え方とも言えます。北欧の国々などは「社会民主主義」の代表です。

 

「ソ連型社会主義」は、「共産主義」を目指しており、その過程ということができます。そのため、私的財産は制限または認められません。

 

本来の「共産主義」は、最後は政府も必要なくなるという考え方ですが、歴史上これを成し遂げた国家は存在しません。言い換えると、「共産主義」の国家はこれまで存在していないと言う事もできます。

 

また、高度成長期の日本を例え、「世界で最も成功した社会主義(社会民主主義)国家は日本」と言われることがあります。

 

話を日本に落としていくと、日本は長い間保守政権に運営されてきました。左翼政権より保守政権の方が日本人の肌に合っているのでしょうね。そこに合致した「社会主義」の手法のひとつがあります。

 

それは「民主社会主義」です。「民主社会主義」は、革命を否定し、議会制民主主義の中で「社会主義」の理想を実現しようとする、中道左派の穏健な社会主義思想でありまして、資本主義社会の「改良」を訴え、階級闘争を否定するのが特徴であると言われています。

 

どうでしょうか「民主社会主義」が少し好きになりましたか?